期間イベント、沖縄Creators Weekの中でPARADISE JAMと並ぶメインイベントの一つ、Creators Night vol.24が12月1日に開催されました。

那覇市てんぶす館にて、カナバングラフィックス代表富岡聡氏による講演「カナバングラフィックス アニメーションメイキングセミナー」が行われました。参加者は学生さんが多く、中には就活中なのかリクルートスーツで参加されている方もいらっしゃいました。
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セミナーでは富岡代表の簡単なあいさつの後、カナバングラフィックス最新作の「イナズマデリバリー」を上映。個性的なキャラクターによるコミカルな映像に、会場のそこかしこから笑い声が上がりました。
その後講演に移り、まずはカナバングラフィックスが手掛けているオリジナルコンテンツの概況の紹介がありました。最近では企業のPRキャラクター制作やキャラクターを用いたプロモーション企画のほか、アプリのキャラクターデザインといった仕事も多いそうです。

事業内容をひととおりご紹介いただいた後に、同社がオリジナルアニメーションを制作する際の流れを教えていただきました。企画の際はとにかくたくさんのアイデアを生み出すことが重要だそうです。ストーリーを三行で説明して面白そうだと感じられるかどうかが目安だそうで、「これは面白い」といえる根拠が説明できなければ容赦なく没にして、また新たなものを生み出すといった手法が紹介されました。
脚本の作り方に関しては映像作品をプロットに分解していくことで脚本の構造がわかるといった具体的なアプローチが紹介され、どちらもクリエイターにとって非常にためになるお話だったと思います。

併せて講演では富岡代表の波乱万丈の経歴も語っていただきました。これまでの経験から、権利関係の明確化も含めて「ビジネスとして」コンテンツ制作を行うことをとても重視しているそうで、フルCGアニメを制作した場合の予算やその回収方法なども、具体的に解説していただきました。
アニメーション制作をビジネスとしてとらえた際の投資回収方法としては、DVD・BDやグッズ、アプリなどが考えられますが、それぞれの方法で利益率が異なるそうです。例えばグッズの利益率を5%とした場合に、どのようにビジネスとして組み立てるのかを、とても詳しく種明かしいただきました。

投資金額  30分のフルCGアニメの制作費用 3,000万円
売上目標  6億円のグッズ売上(利益率5%) 3,000万円

これで投資回収は可能となりますが、普通6億円といわれてもピンとこないので、それだけグッズを売り上げるためにはどう考えるのかを掘り下げてご説明いただきました。

グッズは1個1,000円程度、1種あたり2000個程度生産するのが相場だそうです。
すると、 6億円=(1種類2,000個=200万円)X 300種類のグッズが必要という試算になります。
となると、20種類グッズを出してくれる企業15社との契約が必要と、目標が明確になりました。

プロモーションについても、多くの動画配信サイトと契約するほか、SNSなどでは絶え間なく新しい話題を提供できるようトピックをいくつか用意しておき、どのタイミングで発表するかなどを、毎月考えるそうです。コンテンツ制作をビジネスとして成り立たせるために、しなければならないことを明確にすることが重要とのお話しでした。
富岡代表は3DCGやアニメーション制作、経営の仕方などについて多くの本を読んで勉強して実践されており、参加者にも講演中たびたび「本をたくさん読んでください」と呼びかけておられたのが印象的でした。

講演のあとは、DOKUTOKU460の代表・城間英樹氏も交えて質疑応答コーナーに移りました。城間代表はオリジナルキャラクターを制作しているDOKUTOKU460を率いていらっしゃる立場として、富岡代表の話をうかがって、ご自身はこれほどしっかりとビジネスができているだろうかと身が引き締まる思いがしたと感想を述べておられました。
キャラクターやアニメーション制作を「ビジネスとして」行うということは、クリエイターにとってはあまり関心を引かない話題のようで、参加されたある会社の経営者からは、「自社のクリエイターに社会人としてビジネスの意識を持ってもらいたいが、どうしたらいいか?」というような現実的な質問が出ました。富岡代表によると、カナバングラフィックスではお金の流れをわかりやすくまとめた表を作成し、定期的にクリエイターたちに見せているそうです。自分たちの仕事によってお金がどう動いて、どういう結果になったのかを視覚的に見せることで、クリエイターたちも意識するようになったとのこと。

富岡代表には、企画・制作からプロモーションまで、オリジナルコンテンツを制作する流れと、それをビジネスとして考えるとはどういうことなのかを具体的に説明いただき、参加したクリエイターやコンテンツビジネスに携わるビジネスマンも、たいへん熱心に耳を傾けていました。アニメーション分野に限らず、コンテンツビジネス全般に通じるとても貴重なお話をうかがえた夜になりました。
富岡聡様、城間英樹様、ご講演ありがとうございました。

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